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裁判離婚


夫婦どちらか一方が離婚に合意できず協議離婚が成立しない場合、まず家庭裁判所での「調停」による話し合いをしますが、それでも合意ができない場合、離婚の「裁判」を求めることができます。

裁判離婚の特徴は、離婚を認める正当な理由があれば、両者の合意を必要としないという点です。
裁判離婚では両者の合意を求めることはなく、法的に離婚が妥当かどうか判断され、裁判所が判決を下します。

◆裁判離婚は離婚原因が必要
協議離婚や調停離婚では離婚に至る原因がなくても、双方の合意だけで離婚が成立するが、裁判離婚は民法が定める離婚原因が必要となる。

民法が定める法定離婚原因
1.不貞行為
2.悪意の遺棄
 (故意に配偶者の義務を尽くさないこと)
3.3年以上の生死不明
4.回復の見込みがない強度の精神病
5.その他、婚姻を継続し難い重大な事由がある



離婚裁判を起こすには、まず家庭裁判所に提出する訴状を作成します。
訴状には「請求の趣旨」と「請求の原因」の2つの内容を明記しなければなりません。

「請求の趣旨」はどのような判決をしてほしいかという部分で、「請求の原因」はその請求を根拠付ける理由となります。

裁判所はこの2つの要求に対して成否を決めるので、慰謝料、財産分与、親権など、裁判で決めて欲しいことを必ずもれのないように明記します。
訴状に記載されていないことには、裁判所は触れません。

◆訴状作成は弁護士に依頼する
離婚裁判を起こすために家庭裁判所に提出する訴状は、裁判官が判決を書くために必要不可欠な事項をすべて盛り込まなければならない。
素人が作成できなくもないが、訴状に十分な内容の記載がされていなければ、裁判官の印象は悪くなり、事実が伝わりにくく不利な判決が下される可能性がある。
裁判書類は弁護士に依頼したほうが確実。

◆訴えを起こす裁判所
最初に訴えを起こす裁判所は、夫婦どちらかの住所地を管轄する家庭裁判所。
用意する書面は、訴状2通(裁判所用と被告用)所定の印紙と切手、調停不成立証明書、夫婦の戸籍謄本一通、離婚原因となる証拠(必要に応じて)を裁判所に提出する。


           離婚裁判の流れ

離婚調停の不調・審判離婚の不成立。
            
どちらかが原告となり、裁判所へ訴状を提出する。
            
裁判所から「被告」に訴状と第1回口頭弁論期日が指定された呼出状が届く。
被告は訴状の内容に反論するための書面「答弁書」を用意して、第1回口頭弁論期日の2週間前までに、裁判所用と原告用の2通を提出する。
            
         第1回 口頭弁論
            
  第2回 口頭弁論・・・以後、口頭弁論を繰り返す。
            
           最終弁論
            
            判 決
            
   判決書により離婚の成否が知らされる



有責配偶者とは、「婚姻の破綻に責任のある配偶者」を指します。

例えば「妻以外の女性を愛人にして、それが原因で結婚生活を破綻させた夫」のように、離婚の原因になりうる行為、行動をとった配偶者側に責任があるということです。


「有責主義」と「破綻主義」

以前、裁判所では、有責配偶者からの離婚請求は認められませんでした。
夫婦の一方に離婚に至る責任が認められる場合に、責任の無い一方が離婚請求することしか認めない、という考え方です。この考えに基づく法制度を「有責主義」と呼びます。

一方で、有責配偶者からの離婚請求を認めなかったとしても、破綻した夫婦の関係回復が不可能で問題解決にならない場合が多いのも事実です。
夫婦の関係回復が不可能であるならば、どちらに責任があろうとも離婚を認めるべきという考え方もあります。こういう立場を「破綻主義」といいます。


最高裁の判例
16歳未満の子がおらず、夫婦に8年の別居があった事実に対し、有責配偶者からの離婚請求を認めています。

◎ ただし、離婚によって相手が極めて過酷な状態に置かれるなどの事情が
  無い場合に限られる。


離婚裁判で最も重要になるのは、実際に夫婦関係が破綻しているかどうか、どちらのどんな原因でそうなってしまったのかを、いかにして第三者にわかってもらうかということでしょう。

◆説得力のある陳述書を作成する
離婚裁判では、結婚前の交際期間中から始まり、婚姻中の生活、離婚を考えるようになった経緯や原因などの流れを、すべて伝えなければなりません。
実際にはそれらすべてを裁判中に話すことは不可能で、それに代わる役目をするのが「陳述書」になります。
離婚裁判では、あらかじめ本人証言の前に裁判官が陳述書を読むケースがほとんどなので、この陳述書がわかり易く説得力の持つ文章であることが大切になります。

◆証拠になるものはできるだけ多く保存しておく
離婚裁判では証拠や証人の存在が重要になります。
具体的には、DVを受けていた場合は治療を受けた際の診断書や、傷跡の写真など。
DVを受けた日にちや時間、回数なども細かく記録しておきます。
浮気が原因ならば、実際の浮気現場の写真やビデオ、手紙やメールなどです。

◆弁護士を信頼し、全てを話しておく
自分に都合が悪い事柄や、恥ずかしいという想いから、自分の弁護士に事実を話しておかなかった場合、反対尋問で相手の弁護士から予定外の新たな事実が出てきてしまう場合があります。
これは最もよくないケースで、勝てるものも勝てなくなってしまいます。
自分の弁護士には洗いざらい、真実を全て話しておくべきです。



離婚裁判は調停裁判に比べ、多くの費用がかかります。

裁判所へ払う手数料は、調停の場合と同じで、訴状に収入印紙を貼る形で収めますが、金額は一律ではありません。
請求内容や種類、慰謝料などは請求する額によって印紙代が異なります。
具体的は費用は、家庭裁判所の窓口で確認することができます。

もうひとつ、書類を郵送する費用として「郵券」と呼ばれる切手で納めます。
裁判所ごとに違いはありますが、通常6〜7,000円ぐらいで、最終的に余った場合は返却されます。



弁護士費用は、着手金、報酬、実費、日当などがあります。

着手金は、事件を依頼した段階で支払うものです。
一方、報酬金は事件が終了した時点で支払うものです。
日当は遠方に出張した場合に発生します。
実費には印紙代やコピー代、交通費や通信費などが含まれます。

着手金、報酬金、日当は、弁護士と依頼者との間で自由に決められるものなので、弁護士事務所によっても、また、扱う事件の内容や移動の所用時間などによっても違いが生じます。

▲離婚と親権のみを指定した場合の裁判では、着手金と報酬で50〜80万円程度が目安。

▲財産分与や慰謝料についても裁判で争う場合は、その金額の何%などの規定(報酬基準)を設けているところが多い。



相手の行方が分からない場合は、調停をせず裁判を起こして離婚することができます。

被告(相手方)が行方不明の場合は訴状の副本と期日呼出状を送付できないので、裁判所にある掲示板に所定の書類を掲示して、被告に送達したことにします。
これを「公示送達」といいます。

掲示板に書類を公開してから2週間が過ぎると、被告に送達されたとみなされ、裁判が始まります。

当然被告が出頭してくることはあり得ませんから、この場合は欠席裁判となり、第1回口頭弁論期日に原告の全面勝訴の判決がでます。

ただし、原告の言い分に間違いがないか証拠調べを行ってからの判決になります。


離婚裁判によって自分の請求が認められた場合、相手が判決書を受け取ってから2週間以内に控訴しなければ判決は確定します。

判決が確定したら、10日以内に市区町村役場に離婚届を提出します。
その際、判決謄本と判決確定証明書(裁判所で交付してもらう)を離婚届に添付します。

離婚が認められず敗訴となった場合、判決が不服で控訴するのであれば判決書を受け取ってから2週間以内に行います。
敗訴になった場合は、弁護士とよく相談してその後の対処を決めましょう。
なお、請求の一部だけが認められる「一部勝訴」ということもあります。


【離婚調停アンケート】
●初回調停は…

 不安があった・・・・91% 
 不安はなかった・・・9%
 自信があった・・・・50%
 自信なかった・・・・50%
 恐怖心があった・・・82%
 恐怖心はなかった・・18%
 期待があった・・・・79%
 期待はなかった・・・21%

●あなたは弁護士への相談は…
 
 相談した・・・・・・85.2%
 相談していない・・・12.8%

●相手方は弁護士への相談は…

 相談した・・・・・49%
 相談していない・・21%
 不明・・・・・・・30%
 
●弁護士に依頼して…
 
 よかったと思う・・・・・78%
 よかったとは思わない・・22%

●調停委員の態度は…

 良いと感じた・・・76%
 悪いと感じた・・・24%
【資料引用】
●厚生労働省人口動態統計
●国民生活白書
●司法統計
●内閣府『男女間の暴力に関する調
 査』
●ウィキペディア
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